秋山郷のすまい
寒さ厳しい折、いかがお過ごしでしょうか。
雪深い山村の暮らしぶりをつたえる民家をとりあげました。
よろしくお願いします。

陸の孤島
長野県と新潟県にまたがる秋山郷は、豪雪地帯のために冬季に道が遮断されることもあって、独特の生活習慣が育まれてきた地域です。
茅壁

お金も手間もかかる土壁はぜいたくな工法だったことと、積雪の多い日本海側の地域などでは、せっかく土の壁をつくっても雪から保護するために茅束でつくった雪囲いを家のまわりにめぐらさなくてはならないため、土壁のかわりに柱にじかに茅束を結付けた「茅壁」で家をつくるようになりました。暖かくて、雪囲いをつくる手間がはぶけて、低コストでつくれる様式です。
土座住まい

江戸時代の頃には、秋山郷ではほとんどの家が地面の上に茅束を敷き、その上にムシロを置いていました。竪穴住居から発達したと考えられる床板をはらずに地面にじかに暮らす様式を「土座」と呼びます。
地中の湿気の影響を受けやすいのがデメリットでありますが、床下がないのですきま風も吹かず、イロリの熱がじかに地面に伝わり暖かさを保ちやすいのが特徴です。。
掘立て柱

石や土台を置かずに柱の根元を直接地面に埋めて建てた古い建築様式がみられます。
越後中門造り

玄関通路を母屋から直角に突き出した、中に「うまや」、牛を飼っていた部屋、牛小屋がある雪国特有の形式。中門を直角に突き出したL字型の家は、積雪の重さにも強い構造になり、家への出入り時に屋根から落ちる固雪から身を守り、寒い風が母屋に入るのを防ぎます。
中門は、国内でももっとも雪の多い地域である秋田、山形、新潟、長野を中心に、日本海側に分布しています。
うまや

まとめ
茅の壁が独特の外観で、民家がその土地固有の風土・習慣から生まれる様式を色濃く残しています。
そこには、土地の自然を活かし、調和しながら生活を営んでいた人々の知恵が随所にうかがえます。グレートネイチャー。


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